[ フ リ ー ペ ー パ ー マ ガ ジ ン ]

断 片 く ん

 

■  断 片 く ん (全10話)

 

ある日、生命を宿してしまったバームクーヘンのカケラは、

旅をしているオニギリジョーと飴子と出会い、

『断片くん』と名づけられる。

 

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 著者 / 蒼室寛幸   発行 / STUDIO  BAUM   偶数月10日発行

 

 発行期間 / 2009年8月10日 〜 2011年2月10日


 A6・中綴・12P(表紙/2色刷・本文/1色刷)

 

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*サイト   http://aomuro.com/


 

〜 第一話 『はじまりのオルフェ』 〜

 

[2009年8月10日発行] 


この話は、ある洋菓子屋さんのバームクーヘンを

食べているときに思いつきました。

デパ地下が舞台なので、取材と称して通いつめていたら、

ケーキやらお惣菜やらを食べ過ぎて3kg太りました。

この調子でいけば、この物語を描き終える頃には

きっと僕はまんまるになっていることでしょう。

 

(あとがきより転載)


 

〜  第二話 『解き放つレゾンデートル』〜

 

[2009年10月10日発行] 


オニギリ・ジョーの髪型が前回と違いますが、

これは決して「印刷も製本も終わった後に

髪型が前回と違う事に気付いて、ウワーやばい!

って思ったけど今さらどうしようもないので

そのまま発行しちゃった。」わけではありません…。

そう、決して…。      

(あとがきより転載)


 

〜  第三話 『愛 燃ゆる』〜

 

[2009年12月10日発行] 


飴子が恋に落ちた!僕的にもまさかの展開です。

次回は断片くんと飴子の甘いひととき、

そしてオニギリジョーも恋を…と、

実は半年後分くらいまでネームは完成してて、

早く形にしたくてウズウズです。

早いもので今年も終わろうとしています。

お世話になっているライブハウスやギャラリー、

本屋のみなさま、いつも本当にありがとうございます。

次号発行予定の来年2月には、初の個展を神戸で

行います。2010年も自分のペースでモリモリと

楽しい事をやってゆきますので、どうぞよろしく

お願いしますね。      

(あとがきより転載)

 

 

〜 第四話 『お前だけが』〜

 

[2010年2月10日発行] 

 

今回の漫画で断片くんが歌っている歌は、1970年代に

活動していたフォークデュオ『風』の「お前だけが」と

いう曲です。この歌は、僕の一番好きなラブソングで、

いつかこれをテーマにした漫画を描きたいとずっと

思っていました。その夢がやっと実現したので、

ちょっとホッとしています。

さて次回4/10発行号では、いよいよオニギリジョーと

ハヤシライ子の恋の行く末やいかに…。

 

(あとがきより転載)


 

〜 第五話 『山から谷へ流動するエモーション』〜

 

[2010年4月10日発行] 


そうです。人生は甘くない。干し芋は、咀嚼を

重ねるたびに甘くなるけども、人生は経験を重ねる

たびに甘くなるわけじゃない。山もあれば谷もある。

でも決して、強く生きる必要なんて無いと思う。

大切なのは、運命に立ち向かう強さなんかより、

自由に泣いたり笑ったりできる感受性の豊かさでは

ないんだろかね。そこんとこどうなんだろ。

とりあえず、年がら年中いつでも干し芋を食べれる

この時代に生まれた幸せを噛みしめつつ、もう少し

痩せなければと焦っている今日この頃です。

干し芋FOREVER。        

 

(あとがきより転載)


 

〜 第六話 『消え果てぬ恋の光芒』 〜

 

[2010年6月10日発行] 



エイッ!ヤア!…と、いきなり気合を入れてみました。

というのも、だいたいいつもこのあとがきを書いている

時なんぞは、無事に漫画原稿を描き上げた安堵感に

包まれて、脳みそは空っぽになってフニャフニャ状態

なんです。そんな状態で書いているわけですから、

なんだか毎回あとがきの文章がフニャフニャしてる。

というわけで、気合を入れてみたものの、やっぱり今回も

フニャフニャしていて気の利いた言葉が出てきません。

うーむ。

こうしてフニャってる時も、窓から見える星の光は

理路整然と明滅している。ピッカンピッカンと光って

るわけです。人生というものは短いもので、実りある

人生にするためには僕もあの星の光のように、絶えず

ピッカンピッカンしていかねばなりません。そう、

原稿を描き上げたくらいでフニャフニャしている場合

じゃないんだ!エィ!ヤア!アチョー!

と、気合の入ったところで、いよいよ次号は1周年

特別号です。なんしら、いつもとは少し違った感じの

号にしようと考えてますので、楽しみに待っていてください。

 

(あとがきより転載)


 

〜 第七話 『月の光』 〜

 

[2010年8月10日発行]


 

あっという間に過ぎちゃった一年です。

初めて断片くんを作った時は、印刷物が家に届くのを

待ちきれず、夜遅くにパジャマ姿でクロネコヤマトの

集配所まで引取に行き、そこの駐車場でドキドキしな

一冊目を製本して、完成品を見てなんか感激しちゃって

ウォーッ!ってなりました。それがもう一年前の話なんだもんね。

とにかくあっという間の一年だったけど、その間にも

随分といろんなものが変わってしまいました。政治や

経済、あの人この人、自分の体重。いろんな事がすごい

スピードで変化してついでに言うとパナップまでもが

変わってしまった。(2010年3月にリニューアル。

以前のパナップの方が好き!)だけど、このフリーペ

ーパーは良い意味でも悪い意味でもそんなに変化する

ことなくここまでやってこれました。

最初はもう何もかも分からず、どこにどうやって納品すれば

いいのかも分からず、断片くんの山を前にして途方に暮れた

もんです。それがいつの間にか発行部数をどんどん増やさないと

いけないようになり、断片くんを通じていろんな人と友達になり、

ああ、本当に続けていて良かったと思っています。

断片くんは “10話構想 ” だったので、残りあと3回でおしまいです。

あとわずかではありますが、断片くん達と、このまま最後まで

駆け抜けていきたいと思っていますので、引き続きよろしく

お願いします!

 

 

    (あとがきより転載)


 

〜 第八話 『劣情が収束する』 〜

 

[2010年10月10日発行]


 

やっとこさ秋がきました。僕が小学生の時は、

この季節に給食で松茸ご飯や栗ご飯が出たものです。

うちの母が給食センターで働いていたのですが、

「ちくわの磯辺揚げは作るのが大変なんよ」と言うて

ました。ちくわの衣の液体につけた後、1本1本穴の

中につまった衣を搾り出す必要があるからだそうです。

あと、スパゲティの日は食器がケチャップまみれに

なってて、洗うのが大変だと言うてました。

僕もバナナが嫌いで、小学校1年生の時に給食で出た

バナナを、誰にもバレないように窓から投げたら、池で

鯉を観察していた校長先生の頭にそのバナナが直撃して

大騒ぎになり、後でめっちゃくちゃに怒られた思い出が

あります。

断片くんの発行も、残すところあと2回。物語は終わりへと

加速します。次号発行は12月10日、すごく寒くなって

るんだろな…。

 

(あとがきより転載)


 

〜 第九話 『全てが終わるその朝に』 〜

 

[2010年12月10日発行]


冬です。

ぼくはウインタースポーツを一切やりません。

なぜかというと、中学生の時に遠足で人生初スキーを

したのですが、その時うまいことリフトから降りれず

Uターンして戻っていくリフトに取り残され、焦って

高さ5メートルくらいの所から飛び降りた恐怖体験が

あるからです。

リフトから飛び降りたぼくは、奇跡的にスキージャン

プの人みたいに着地をしました。まわりからは拍手とともに、

なぜか「ハラダ!ハラダ!」とハラダコールが起きました。

友人とインストラクターと、知らんおっさんまでもが

ハラダコールでひとつになりました。ぼくは半べそをかき

ながらも、プルプルと両手を挙げハラダコールに応えました。

切ない冬の思い出です。

さてさて、1年ちょっと続けてきた断片くんも次回で最後です!

 

(あとがきより転載)


 

〜 最終話

 『くりかえす運命に始まりのメロディーを』〜

 

[2011年2月10日発行]


最後です!

おかげさまで、断片くんは全10回の発行を

無事終えることができました。あれよあれよと

いう間に発行部数も1万部も超え、ぼくの

知らないところで断片くんが話題になっていたり

して、うれしいです。どれもこれもひとえに、

発行を手伝ってくれた断片くん発行委員会の

みんなと、貴重なスペースに断片くんを置かせて

くださったギャラリーやお店の皆様のおかげだと思っております。感謝!

断片くんは終わりましたが、ぼくはこれからもフリーペーパーを作り続けます。

またどこかしらでそれっぽいのを見かけたら、ぜひとも手にとってみてください。

それではみなさん、今までどうもありがとうございました!デパ地下に幸あれ!

 

(あとがきより転載)